“Inking merger” って何?

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この言葉、ご存じでしたか?

ホンダと日産の経営統合のニュースには驚きましたね!海外のメディアでも多く取り上げられています。その中で、目に留まった表現がこちらの “inking merger“。

海外メディアで複数この表現を目にしたのですが、私はこの使い方を知らず、最初は「?」でした。というのも、inkingを形容詞と捉えてしまったからです。インク=名詞なので、そのインクから派生して、経営統合について形容したもので、インク=にじむ、ということから不明瞭な、とか、上手く行かない、とか、そういう連想をしたわけです。

Inking mergerで検索すると、たとえば、Bally’s soars 25% after inking merger deal with Standard Generalといった記事も出てきました。ただし、やはり inking merger自体の定義らしきものがわからない。

調べること数分、そうした文脈では何もヒットせず。結果、これはどうも形容詞ではなく、動詞では?と思い至り、英英辞典で”ink”という動詞を調べてみたところ…ビンゴでした!

英英辞典の定義と例文がこちら:

ink verb: to sign an agreement:

ink a contract/deal The two sides are getting close to a deal but nothing has been inked yet. 

つまり、inking mergerというのは、単に、mergerの契約締結をするという意味、つまり、ink=signと同じ意味だったのです。わかってしまえば、なーんだ、ですね!

NHK Worldにもこの表現を使った記事が見つかりました。

Sources: Honda, Nissan seen inking merger soon” (NHK World)。

これだけ長く通訳と翻訳を生業にしていても、知らない単語って尽きないものだな、一生勉強だわ、と実感した出来事でした。

ちなみに、inkには、いわゆる染料のインク以外に、「タトゥー」(入れ墨)という意味もあるそうですよ!

千歳船橋・経堂・オンライン JET SETイングリッシュ