やはりこれはまずいのでは、と思いました。
EFというサイトで、The world’s largest ranking of countries and regions by English skills(2023年度版)という記事が掲載されています。世界113の国・地域の英語習熟度をランク付けしたものです。ランキングは大きく5つのグループ、very high proficiency(極めて習熟度が高い), high proficiency(習熟度が高い), moderate proficiency(習熟度は中程度), low proficiency(習熟度は低い), そして very low proficiency(極めて習熟度が低い)に分けられています。
その結果が。
日本は low proficiency に分類され、順位は87位!ちなみに、low proficiencyは、64位から90位までに該当します。同じグループに属するのは、64位がパキスタン、66位トルコ、69位エチオピア、70位ブラジル、73位モンゴル、79位インドネシア、82位中国、83位エジプトなどです。これらの国も、全て日本より上です。
最近まで世界3位、今は4位の経済大国のはずが…この結果はちょっと、いやかなり、残念です。そしてつい最近GDP3位になったドイツはというと。
Very high proficiencyで10位です。
実はここのところ、ドイツ企業や政府関連団体の通訳をしているのですが、皆さんまあ英語がお上手なこと。しかもとても早口です。日本人とのこの差はどこから来るのでしょうか?
昔、アメリカに住んでいた時、語学学校のクラスにドイツからの留学生がいました。彼女が言うには、ドイツの英語教育はスピーキング中心だとのことでした。
そのことを思い出し、では今、実際にドイツの英語教育はどのようなものなのか調べてみました。
ドイツでは、小学校3年生くらいから英語の履修が始まるのだそうです(フランス語も履修科目)。そして、アルファベットや文法ではなく、とにかく先生が英語で質問したり話しかけたりすることから始めるようです。驚いたことに、中学校に入ると、英語で理科や社会など他の科目を学ぶ「バイリンガルクラス」というものもあるのです。公立の学校ですよ!?ちなみにドイツの公立は、大学院まですべて無料です…。
地続きで他国があるヨーロッパという土地柄の影響があるとはいえ、英語教育のあり方が、日本とはかけ離れています。
また、外国人が日本に来て驚くことの一つに、英会話スクールが多いことが挙げられるくらい、日本人は英語学習にお金や労力を費やしているはずです。それなのにこの結果とは、努力の方向性が間違っているのでしょうね…。
言葉は使ってなんぼ、目的ではなく単なる道具です。日本人が英語という道具を使いこなし、国内でも国外でも同じように活躍できるようになること。それが私の大きな夢のひとつなのです。それに向けて、今後も自分のできる範囲で発信を続けていこう、と、改めて思いました。
※最近おすすめのスピーキング教材はこちら。正しい文章にこだわり過ぎず、どんどん口から出していくアプローチがありそうでなかったなと思いました。Amazonでの解説がわかりやすいので抜粋します。
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スピーキングの練習をする場合、定型表現をあれこれ覚えるのもいいのですが、一歩進んで自ら発信する力をつけるトレーニングに有効なのが「視覚素材」です。「何を話そう」と考える過程を飛ばして、「目の前にある写真やイラスト」をその場で英語にしていく練習です。あれこれ考えて、頭の中で組み立てていては、沈黙している時間の方が長くなってしまいがち。目に見える具体的なものを即座に英語にするトレーニングを通して、描写力と説明力を鍛えます。
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